キリスト教保育とは

私たちは、いつも神さまに守られていることに感謝して、祈ります。誰でも、いつもどのような時でも、自分の全てを受け入れ、励ましてくださる神さまの存在を知ることで、子どもたちの心は平安に満ち溢れます。毎日、自分が生きている・生かされていることへの感謝や喜び、見守られていることへの安心感をもち、生涯にわたる人生の土台・生き方の基礎を培って、他者と共に生き、平和な世界をつくろうとする人間として育まれます。

本園では、毎日、クラスで礼拝の時間をもちます。讃美歌をうたい、神さまに感謝のお祈りをして、聖書の御言葉の暗唱も行います。また、週に1度、全園児・全教職員が集まって合同礼拝の時をもち、聖書のお話を聞きます。「賛美のこころ」・「感謝のこころ」・「奉仕のこころ」は、お友だちとの人間関係づくりの土台です。

本園の教職員は、常に聖書の御言葉を土台とし、礼拝を大切にし、感謝の祈りをささげながら、自らが清い心をもって子どもたちと接することを大切にしています。

キリスト教保育のねらい

本園は、全国のキリスト教幼稚園が加盟する「キリスト教保育連盟」に所属しています。「キリスト教保育指針」に基づいたキリスト教保育、またキリスト教保育研究を重ね、日々の幼稚園教育につとめています。

【ねらい】
  • 子どもが、自分自身を大切なひとりとして受け入れられていることを感じ取り、自分自身を喜びと感謝をもって受け入れるようになる。
  • 子どもがイエスを身近に感じ取ることを通して、見えない神の恵みと導きへの信頼感を与えられ、「イエスさまと共に」毎日を歩もうとする思いをもつようになる。
  • 子どもが、互いの違いを認めつつ、一緒に過ごす努力をし、そのことを喜びとするようになる。
  • 子どもが、心を動かし、探求し、判断し、想像力をもち、創造的にさまざまな事柄に関わるようになる。
  • 子どもが、私たちの生きる自然や世界を神による恵みとして受けとめ、それらの事柄に関心をもち、自分たちのできることを考え、行うようになる。
  • 子どもが、してはいけないことをしようとする思いが自分の中にあることに気づき、そのような思いに負けない勇気をもち、行動するようになる。

主なキリスト教行事

アドベント(待降節)

「アドベント」とは、「到来」・「来臨」という意味のラテン語で、12月25日の4つ前の日曜日から始まります。アドベントは、イエス・キリストのご降誕を待ち望み、お迎えする準備の期間で、日曜日の礼拝のたびにアドベントクランツの4本のろうそくに1本ずつ火を灯し、4本すべてに火が灯ると、クリスマスがやってきます。日本では、一般的に1年の始まりは1月から、幼稚園や小学校等の年度の開始は4月からです。しかし、教会の暦はアドベントから始まります。つまり、「待つ」ことから始まる1年なのです。この世がどんな暗闇に覆われていようとも、必ず光に輝く時が来る。そう確信して、待ちながら新しい1年を歩み出します。

クリスマス(降誕日)

「Christmas(クリスマス)」は、「Christ(キリスト)」の降誕を祝って「mas(ミサ=礼拝)」することであり、イエス・キリストを礼拝することなしに、クリスマスはクリスマスとはなり得ません。つまり、クリスマスは、イエス・キリストの誕生を祝って礼拝を守る日です。「クリスマス」は、夜に起こりました。「クリスマス・イブ」というのは、「クリスマスの前の夜」ということではありません。当時のユダヤの時間の概念は、「夕暮れから夕暮れまで」を1日と数えていました。1日は夕暮れから始まったのです。ですから、クリスマス・イブは、「クリスマス・イブニング」、「クリスマス当日の夜」という意味です。また、日本では、12月25日を過ぎると瞬く間にお正月一色になりますが、本来、クリスマスは1月6日まで続きます。ですから、キリスト教圏では1月6日までクリスマス飾りを飾っています。

レント(受難節)

イースター前の6回の日曜日を除いた40日間をいいます。受難節の期間は、イエス・キリストが私たちの罪に代わって十字架にかかられた苦しみを覚え、身を慎んで節制につとめ、祈りつつこの世の生活を送ります。

イースター(復活日)

イースターとは、イエスさまの復活を記念するお祝いの日であり、キリスト教会、また、キリスト教圏では、盛大に祝われています。聖書の記述の分量から見れば、クリスマスよりもイースターのほうがはるかに多くあります。聖書全体が、イエスさまの十字架と復活に焦点を当てて書かれていると言っても過言ではありません。イースターはキリスト教の中心的な出来事であり、最大の祝日とも言えます。イエスさまが十字架につけられたのは金曜日。その金曜日から数えて3日目の朝、つまり日曜日の朝に、イエスさまは復活されました。ですから世界中のすべての教会は、毎週日曜日の朝に、イエスさまの復活を記念して、礼拝を守っているのです。ちなみに、クリスマスなどの固定祝日とは違い、イースターは毎年月日が変わる移動祝日です。「春分の日の後の、最初の満月の次の日曜日」と決められています。

ペンテコステ(聖霊降臨日)

ペンテコステは、クリスマス・イースターにならぶキリスト教の三大行事の一つです。「ペンテコステ」とは、新約聖書の原語、ギリシア語で「50」という意味です。イエスさまが復活してから50日目(昇天してからは10日後)の日曜日、神さまからの大きな力を受けた弟子たちは、まるで生まれ変わったかのように元気になりました。この日、弟子の一人であるペトロが大勢の前で説教をすると、3000人ほどが仲間に加わったと聖書に記録されています。このことから、ペンテコステはキリスト教の宣教が開始された日であり、教会の誕生日として祝われるようになりました。

花の日

1856年、アメリカのキリスト教会が起源となった『花の日』は、6月のある日曜日におこなった子ども中心の礼拝が始まりと言われています。同時に、一年中で最も多くの花の咲く季節であることから、教会員は各々花を持ち寄って教会を飾り、礼拝後、子どもたちにその花を持たせて地域の病院や警察署、各社会施設を訪問し、花束を贈りました。この行事は、子どもたちにとって、奉仕と感謝の学びの場でもありました。現在、日本のキリスト教会においても、6月の第2日曜日には花の日礼拝が守られています。

収穫感謝

収穫の恵みをくださった神さまに感謝する日です。1600年代、信仰の自由を求めてヨーロッパからアメリカへと渡った100人余りのキリスト教徒たちは、新生活の中、すぐにやってきた非常に厳しい冬の寒さと飢えによって、半数もの人々が亡くなりました。やがて来る春とともに、人々はもともとそこに住んでいた原住民の人々に助けられ、土地を耕し、作物を育て、秋になって最初の収穫を得ることが出来ました。このことを神さまに感謝してささげられた礼拝が、収穫感謝日の起源です。